「切迫早産・常位胎盤早期剝離ってどんな感じ?」
「常位胎盤早期剝離は帝王切開?経膣分娩?」
「1人目が常位胎盤早期剝離だった場合2人目は?」

こんにちは、アラレぽです!
今回は、赤ちゃんが早く産まれる危険性が高い「切迫早産」と、妊娠中に胎盤がはがれ母子ともに危険な状態となる「常位胎盤早期剝離」で、経膣分娩した体験について綴っています。
※内容は当時の状況をリアルに書いています。表現がきついと感じる方もいらっしゃると思うので、苦手な方はご遠慮ください。
※私は医療従事者ではありません。あくまでも個人の体験談となりますので、ご理解のほど宜しくお願い致します。




まずはじめに|切迫早産や常位胎盤早期剥離は1度起こると次回も起こりやすい?
まずはじめに、切迫早産や常位胎盤早期剥離は1度起こると次回妊娠時にも起こりやすいと言われています。
切迫早産とは?
切迫早産になる母体側の原因には、頸管無力症や円錐切除術などの既往歴(病歴)、喫煙やストレス、やせなどの生活習慣、絨毛膜羊膜炎や多胎妊娠、高齢妊娠などの現症(現時点でみられる症状)があります。
出典元:アスクドクターズトピックス|切迫早産の疑問 逆子、安産、帝王切開等に関係?
常位胎盤早期剥離とは?
常位胎盤早期剥離(早剥)は,次回妊娠時に反復しやすいことが知られており,前1回で5-15%,前2回で約25%に,前回よりもやや早い週数で発症する可能性が報告されている.
出典元:一般社団法人 関東連合産科婦人科学会|関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル
私は1人目の妊娠出産で、切迫早産・常位胎盤早期剝離を経験しました。
そして現在、2人目を妊娠中なのですが、、、すでにちょっと怪しい空気が漂っています。



実は今まさに、子宮頚管長(子宮の入り口の長さ)が短くなっている状態なんですよね(汗)
まだ切迫早産の診断は受けていませんが、1人目の時よりも3カ月早く子宮頚管長が短くなっています。
2人目の妊娠が確定した時に、担当医の先生からも、
「1人目で常位胎盤早期剝離だった場合、2人目も起こる可能性がある一定数(大体10~15人に1人位の確立)であります。」
とお話があったので、覚悟はしていたものの実際にこの状況になると心配と焦りが出てきます。



そこで今回は、初産での実体験を今のうちに振り返り、自分の為にもしっかりまとめておくことにしました!
もちろん経験を振り返ることで、切迫早産や常位胎盤早期剝離が予防できるわけではありません。
しかし、「知っているのと知らないのとでは大違い」なんて言葉もある通り、不安の原因を知ることで不安が軽減されることもありますよね。
妊娠中に不安に思っていたことについて伺ったところ、「不安はなかった」と答えたママはなんと0%。全くいらっしゃいませんでした。
出典元:ユニ・チャーム|ムーニー|妊娠中に不安に思っていたこと



本当にその通りで、妊娠中の不安って本当に尽きませんよね。正直今も毎日不安です(汗)
でも、そんな私の体験談が少しでも誰かの役に立ったらいいなぁと思い、当時を思い出しながら書いたので、読んでいただけたら嬉しいです!
それでは早速、1人目で経験した切迫早産と常位胎盤早期剥離の経験をお話します。



まずは、お腹の張りを感じ始める少し前の状況からお話しますね!
33週5日|お腹の張りに気づかず産休へ
当時私は、平日4~5時間だけスーパーのパートで勤務していました。
もともとスポーツトレーナーをしていたので体力には自信があったのですが、スーパーでの仕事は立ち仕事も多く、足がむくんだり、疲れやすいなぁと感じることも。
ただこの頃は、お腹が張っているという感覚が全く分からなかったのを覚えています。
「お腹が張る」とは?
- 妊娠中のお腹の張りは、子宮の筋肉が収縮によってお腹が硬くなっている状態のこと
- 生理痛も陣痛もこの子宮の収縮が関係している
- お腹が大きくなる妊娠中期頃から感じる妊婦さんが増える
- 感じ方は1人1人それぞれ異なる
おなかが張るってどんな感じ?
出典元:産婦人科佐藤クリニック|MaBy Club Vol.26|おなかが張るということ
おなかが張っているときの状態を聞くと、いろいろな言葉が返ってきます。妊娠初期のひとでは、「おなかがパンパン」「中で炭酸がふくらんでいるよう」「下腹部が重い」「便秘が1週間続いたようにかたい」。妊娠中期では、「子宮がキューとかたくなって、手で触ると子宮の形がわかる」「ふだんはフニャフニャなのに、バレーボールくらいのかたさになる」「風船がふくらんだみたい」「何かがきゅーっとしぼんでいく」。後期になると、「おなががカチカチ」「おなががピキーンと張りさけそう」「スイカのようにかたい」「石のようにカチンコチン」など。一言でおなかの張りといっても、張ったときの感じ方はさまざまです。
私の場合は赤ちゃんが昼夜問わずとにかく良く動いていたので、
「蹴ってるのかな?身体伸ばしてるのかな?元気だなぁ~」
と毎日思っていました。



でも今思うと、カチカチとまではいかずとも、お腹は張っていたなぁと感じます。私の場合は、なんだか突っ張っているような伸びているような感覚でした
そんな当時の私の体調や妊娠経過(切迫早産と診断されるまでの身体の状態)はこんな感じでした。
(つわりや腰痛など、妊娠中のマイナートラブルは除いています)
当時の体調と妊娠経過
- 妊娠中の体重経過や血液検査に問題なし
- 血圧正常値
- 子宮頚管長は34㎜
- 羊水の量、赤ちゃんの大きさ、週数相当
- 浮腫(-)、尿蛋白(-)、尿糖(-)(※全てマイナス)
- 常位胎盤早期剝離に要注意と言われている下記のような症状は1つもなし
- 妊娠高血圧症候群
- 子宮筋腫
- 高血圧
- 喫煙
- 子宮内感染(絨毛膜羊膜炎)
- 転倒などでお腹を強く打った場合など



マイナートラブル以外で体調が悪くなることは1度もなかったので、特に大きな心配もせず、残っていた有給も使い早めの産休に入りました
34週0日|夜間お腹の張りを感じるように
産休に入り足の浮腫みがかなり楽になりました。



ただし、お腹が大きくなるにつれ胃が圧迫され、胸焼けのような状態が増えましたね
この頃から、夜になると少しお腹が張るような感覚が。
カチカチに張ることはありせんでしたが、少しだけ痛みを感じることもありました。



とはいえ生理痛ほどの痛みではなく、出血や破水などの症状もなかったので、4日後の健診時に病院で伝えればいいかな?といった程度でした
34週4日|切迫早産と診断され自宅安静
お腹の張りを感じ始めてから4日後、妊婦健診へ行きました。
この日も体調は良く、妊娠経過も特に問題なく順調でした。
しかし、子宮頚管長が34㎜から23㎜に。
子宮頚管長とは?
子宮の入り口の長さのこと
子宮の入り口の長さを子宮頸管長といいます。子宮頸管長がなぜ短くなるかはわかっていませんが、子宮頸管長が短いと早産のリスクが高いことはわかっています。妊娠24週での子宮頸管長の平均は約35mmで、25mm未満の場合早産となるリスクは約6倍、13mm以下では約14倍といわれています1)。
参考文献
出典元:国立成育医療研究センター|早産外来
Iams JD, Goldenberg RL, Meis PJ, et al : The length of the cervix and the risk of spontaneous premature delivery. National Institute of Child Health and Human Development Maternal Fetal Medicine Unit Network. N Engl J Med 1996 ; 334(9) : 567-72.
子宮頚管長の長さを確認したあと先生から、
「お腹の張りを感じる?」
という質問をされたので、夜間お腹の張りを感じることがある旨を伝えたところ、ノンストレステスト(NST)という検査をすることになりました。
ノンストレステスト(NST)とは?
- 陣痛などのストレスがない状態で赤ちゃんの状態をみる検査
- お母さんのお腹の張りと赤ちゃんの心拍を確認するセンサーを装着して行う
ノンストレステスト(NST)とは陣痛などのストレスがない状態で行われる赤ちゃんの状態をみる検査のことです。妊娠後期になるとおなかに分娩監視装置をつけてストレスのない状態でおなかの中の赤ちゃんの様子を確認し、お母さんが出産を迎える準備ができているかどうかを見極める検査です。検査を行う時期は医療機関によって異なりますが、概ね妊娠36週以降に行われます。またこの検査はすべての妊婦さんが受けるものではなく、病院の方針や、過期妊娠、ハイリスク妊娠の場合など、医師の判断によって実施するかが決定されます。
出典元:産科医療研究ネット|Q ノンストレステスト(NST)って?
検査の結果、10分~15分間隔で小さな張りがあることがわり、切迫早産の可能性が高いという診断で自宅安静となりました。



あくまで「小さなお腹の張り」でしたが、10分間隔って陣痛の間隔と同じ位なんですよね(汗)
カチカチにお腹が張っていたわけではありませんでしたが、流石に焦りました
先生と助産師さんいわく、
「赤ちゃんが本当に良く動いている(NSTの間ほぼずっと動いていた)のでその影響もあるかもしれない。」
とのことでしたが、とにかく経過観察が必要な為、2日後診察へくるよう指示がありました。
その後下記のような説明を受け帰宅しました。
- 子宮頚管長が短くお腹が張っている状態の為、帰宅後はトイレで起きる以外全て寝て過ごすこと
- これ以上、子宮頚管長が短くなるようだったら即入院
- お腹の張り止め薬(子宮収縮抑制薬:リトドリン塩酸塩錠)を処方
- 35週以降であれば、いつ産まれても大丈夫(とはいえ発育など個人差があるのでなるべく長くお腹に赤ちゃんがいてくれたほうが良い)
- 35週未満だと今の病院では出産が難しいので大学病院へ転院することになる可能性もある



今後、診察への往復は車で来るよう指示がありましたが、我が家は車を所持していなかったの、バスで行き来することになりました
34週6日|子宮頚管長が回復するもお腹の張りはおさまらず
切迫早産と診断されてから2日間、ほぼ動かず寝ながら安静に過ごしました。
2日後の診察は指示通りバスに乗って向かいましたが、土曜日で混んでいたこともあり座りながら1時間以上待つことに。
しかし、お腹が今までにない程張り苦しいと思う状態になってしまいました。



しばらく我慢していたのですが、座ってだと耐えられない状態となり急遽受付で相談しました。その後、診察室のベッドで横になりながら順番を待つことになりましたが、正直この後から張りを強く感じるようになったので、もう少し早く相談していればよかったと今後悔しています
診察では、お腹の張りが続いているものの、子宮頚管長は24㎜から27㎜に回復しているとのことでした。
※詳しくは下記「子宮頚管長の回復について聞いた話」に書きますが、先生いわく「子宮頚管長は伸びたりするものではない(子宮頚管を長くする方法はないし医学的な論文もない)」とのことです
この日は診察と内診の他にNSTも行いましたが、お腹の張り具合についても、今のところ張り止めが効いているようだったので、入院の可能性は一時なくなりました。
ただし、このまま経過観察は必要とのことで、引き続き薬を飲みながら自宅安静で、3日後にある妊婦健診で再診察となりました。
子宮頚管長の回復について聞いた話
- 子宮頸管長が早期のうちに短くなる理由は、子宮頚管部分が柔らかくなっているからとのこと(お腹が張って子宮頚管長に圧がかかり耐えきれていない状態)
- 子宮収縮が和らげれば、一時的に子宮頸管長が伸びたように感じるが、子宮収縮が強くなればまた短くなってしまうので引き続き安静が必要
- ただし、計測時の測り方やお腹の張りなどが理由で、短く計測されることもあるそうなので経過観察がとても重要
35週2日①|この日の診察が最後の妊婦健診に
引き続き張り止めを飲みながら、ほぼ動かず自宅安静で過ごし、3日後バスで妊婦健診・再診察へ。
この日は体調も良く、3日前の健診の時程のお腹の張りもなかったので、穏やかな妊婦健診を受けられました。
週数相当の妊婦検査も受け、子宮頚管長も27㎜から28㎜に回復。



エコーなど基本的な内診も全く問題なく、赤ちゃんの心拍もしっかり聞こえていたので私も少し安心したのを覚えています
ただし油断はできないので、張り止めを追加で処方してもらい引き続き自宅安静。
次回は、1週間後の妊婦健診ということでバスで帰宅しました。
35週2日②|帰宅後「パンッ」と大きな音と出血
バスで帰宅後、少しお腹が張っているような感覚があったので横になりながら、その日の健診内容を夫に電話で連絡しました。
その後昼食を済ませ、また横になって安静にしていたところ、急に「パンッ」と大きな音が部屋に響きました。
「えっ!?何の音?お腹から聞こえたような。。。」
と思いながらトイレへ行くと、結構な量の出血がありました。



「これはやばいな」という感覚を肌で感じました。生理のような経血色ではなく、完全に真っ赤な血で、「絶対におしるしとは違う」といった印象でしたね
至急夫へ電話し、その後病院へ連絡。
- 今のところお腹の痛みはい
- かなりの量の出血があった
- いつもと同じようなお腹の張りがある
上記のような現状を伝えると、
「一度見ましょう。今すぐ病院に来れますか?これまでの経過から入院の可能性も高いので、もし入院用のセットなど荷物の準備が出来ていたらその荷物も一緒に持ってきてほしいのですが、一緒に来れる人はいますか?」
と言われました。
しかし我が家は両家とも実家が遠く、夫も緊急で帰ってきたとしてもあと2時間程はかかるので、タクシーで1人で行く旨を伝えると、
「わかりました。荷物などは後で持ってきてもらっても大丈夫なので、なるべく早くとにかく気をつけて病院へいらしてくださいね。」
と言われ電話を切りました。



実は切迫早産と診断された日に、陣痛バックと入院バックを準備していたのですぐ病院へ向かうことが出来ました。自分で言うのもなんですが、これはファインプレーだったなぁと思っています
35週2日③|陣痛タクシーで病院へ
まず、事前に登録していた陣痛タクシーへ連絡をしました。
陣痛タクシーという名前だけあって、やり取りがとてもスムーズでした。



通常のタクシーと違う点は、名前や生年月日、出産予定の病院名などを事前に登録しておけるところです。今回のような緊急事態でも焦らず対応してくれ、先ほど同様事前に登録しておいて良かったなぁと思いました
陣痛タクシーへ連絡した時に聞かれたことは下記のとおりです。
陣痛タクシーで聞かれたこと
- 現在の状況
- 陣痛タクシーには登録済みか
- 名前と生年月日の確認
- 電話番号と住所の確認
- 行く先の病院名の確認
- 同伴者はいるか
- 荷物などはあるか
- 手伝いは必要か



私の場合は出血があったため、「もしかすると破水している可能性もあるので、大き目のタオルも一緒に準備してください」と、言われました。
トイレに行きたかったのですが、出血を見るのが怖くそのまま待機していました。
待つこと10分、ドライバーの男性の方から到着したと電話連絡があったので、陣痛バックと入院バックを積んで、そのまま病院へ向かいました。
35週2日④|大量の出血と共に緊張が走る処置室
病院へ到着後、すぐに処置室へ通され横になり診察が始まりました。
しかし、診察開始直後その場で大量出血となり、処置室が一気に緊張に包まれました。
先生は、
「アラレぽさん、ちょっとかなり危険な状況かもしれないので、すぐに確認しますね」
と、一言。



「危険ってことは、赤ちゃんは大丈夫なの?」という不安にかられましたが、私に出来ることは何もなくただ待つだけでした
すぐに点滴をされました。
先生には、帰宅後何が起こったかなど、詳しく聞かせてほしいとのことで、処置をしながら状況を説明しました。
その中で、お腹の痛みがあるかを聞かれたので、「そういえば、さっきよりも生理痛のようなお腹の痛みがある」と伝えると、
「お腹痛いか。。。アラレぽさん、まず今の赤ちゃんの状態ですが、元気です!でもこの出血量なので、胎盤が剥がれている可能性が高く、救急搬送になりそうです」
とのこと。



赤ちゃんの状態は元気です!の一言に少し不安が消えましたが、次のひと言で一遍しました
35週2日⑤|切迫早産・常位胎盤早期剝離で救急搬送
検査の結果、心拍や羊水量などに異常はなく赤ちゃんはとっても元気な状態でした。
しかし、破水、お腹の痛み、出血量から常位胎盤早期剝離の可能性が高いということで救急搬送が決定。
待つこと数分、タンカーの乗せられ救急車へ移動しましたが、受け入れ先の大学病院とのやり取りに少し時間がかかっているようでした。
実はこの時、投与した点滴の影響で私の体温が39度程度にまで急上昇。
後から聞いた話だと、コロナ禍で感染対策等がかなり厳重だった為、患者の受け入れ態勢がととのうまでに通常よりも時間がかかったとのこと。



一刻を争う状態だったので、救急車内は緊迫感に包まれていました。しかし、たまたま私の担当医だった先生方が、搬送先の大学病院でもお勤めで、周産期医療センターへの連携もスムーズに進み、予定より早く状況がととのったようで、本当に運が良かったです
受け入れ先の病院までは約10分。
その間救急隊員の方から、こんな言葉を言われました。
「アラレぽさん、落ち着いて聞いてくださいね。正直母子ともに非常に危険な状態です。」
ドキッとしました。



この時初めて、自分の危機的状況を実感しました
そんな中、一緒に同乗してくれた担当医の先生にこんな一言をかけてもらえました。
「初めてなのに不安だよね。でも私も一緒に行くから大丈夫。赤ちゃんも今は元気だから。」
この言葉に心が救われ、
「とにかく赤ちゃんが大丈夫ならなんでもいいです、お願いします」
出血と発熱で意識が少し朦朧としながら、そう呟いたのを覚えています。
35週2日⑥|救急車の中で感じた母子手帳の大切さ
不安と緊張に包まれた救急車の中はとても時間が長く感じましたが、その間に何とか夫へ救急搬送になった旨を連絡しました。
しかし、詳しいことはわからず、意識も朦朧としていて頭が回りません。
そんな時、私が母子手帳に書き込んでいた情報をもとに夫へ連絡してくれたりと、救急隊の方と担当医の先生が迅速に対応して下さり安心しました。



この時私は、母子手帳の大切さを心から感じました。まさに、母と子の命綱だなと思いましたね。ちゃんと記載していて本当に良かったです!
35週2日⑦|救急搬送先で待っていた18人の先生と質問の嵐
病院へ到着後、すぐオペ室に運ばれました。
そこで待っていたのは18人の先生方や助産師さん。
病院へ着く頃には薬の効果か熱も下がり少し楽になっていた為、思わず人数を数え、あまりの人の多さにびっくりしました。



どうやら、産婦人科の先生、麻酔科医の先生、新生児科の先生、助産師さんに看護師さん、各分野の先生方が集まっていたとのこと。1人の出産だけど、2人の命がかかっていることで、これだけの人数が集まるんだなぁと出産の大変さに身が引き締められました
そんな時間もつかの間、1人の先生に、
「今から急いで詳しい検査をしますが、もしかしたら今すぐ緊急帝王切開になるかもしれません。一刻を争ってます。」
と、告げられ私は、
「わかりました、宜しくお願いします。」
とだけ答えました。
そのあとは、ただひたすら検査と処置をされながら、検温、献血、点滴。
そして、聖徳太子になったかのように、いろいろな方向から同時にされる質問に答え続け、寝た状態のまま1つ1つに承諾のサインを書いていきました。



多分20枚位はあったと思います(汗)
それから程なくして、夫が病院へ到着。
コロナ禍だったため、オペ室の外でひと通り状況を説明されたあと、やっと会うことができました。
「大丈夫?」
と、今にも泣きそうで心配そうな夫に、
「私は大丈夫。赤ちゃんも今のところ元気みたい。」
と、話すと少し落ち着いた様子でした。
しかし、1人の執刀医の先生が来て、夫はある事実を告げられます。
35週2日⑧|どちらの命を優先しますか?
「お母さんと赤ちゃんどちらの命を優先しますか?」
これが、寝ている私の横で夫が先生から告げられた事実でした。
「苦しい決断になりますが一刻を争う状況の為、今聞いておかなければなりません。」
その言葉に一瞬戸惑い涙を堪えながら夫は一言振り絞りました。
「奥さん優先でお願いします。」
その言葉を聞いた私も涙が溢れてきました。



まさかこんな決断をしなければならない日が来るなんて思ってもいませんでした
その数分後、
「全ての検査が終わりましたので、現況と今後について説明します。」
と、先生から声がかかりました。
35週2日⑨|常位胎盤早期剥離での経膣分娩が決定
全ての検査が終わり、先生から現時点での状態と今後について詳しく話を伺いました。



話をまとめるとこんな感じです↓
現状と今後について
- 今現在、常位胎盤早期剥離であることは間違いない
- 幸いにも胎盤が全て剥がれていない状態で出血が止まった
- 母体の心拍、血圧、呼吸は全て安定
- 赤ちゃんの状態も安定していて呼吸や羊水量も問題ない
- 以上の事から現状では経膣分娩でのお産を目指す
- ただし胎盤が一部ついている(いつ剥がれるかわからない)危険な状態の為気は抜けない
- 破水もしているため感染症の心配があり48時間以内には出産することになる
- 破水によってあと数時間で陣痛も起こるはず
- ただし初妊婦の場合子宮口が開きずらく時間がかかる可能性も高い
- うまくお産が進まなかったときや母子ともに状況が少しでも悪くなった場合は緊急帝王切開となる
依然として危険な状態であることには変わりませんが、母子ともに安定していると言われ心底ホッとしました。
ただし、出産までには48時間というリミットがあること。
そして、いつまた胎盤が剥がれるかわからない危機的状態であることには変わらず、不安と緊張は続きました。



正直「こんな不安な状態が続くなら帝王切開で今すぐ産みたい。」という気持ちでいっぱいでしたが、経膣分娩ができるほど私と赤ちゃんの状態が安定していた為、陣痛が来るのを待つしかありませんでした
不安と緊張の中、
後編「タイムリミット48時間の出産編」へ続きます↓
後編「タイムリミット48時間の出産編」






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